11月26日
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7時起床。 昨日の夕食は結局、ワッフルとサラダになった。 何でもいいから美味しい物が食べたい。 日本に帰る頃にはガリガリになって栄養失調で倒れるかもわかんない。 絶対体重減ってるよ。 せっかく時差ボケもなくなってきたのに。 今日が買い付け最終日になる予定。 きちんとノルマ達成できたら、明日は遊のコーナーに載せる写真撮影をする事になってるんだ。 急いでいつもの食堂に行き、クロワッサンを頂だいする。 今日もパリでいちばんの繁華街へと繰り出す。 メトロに乗るのももう平気。 地下鉄御堂筋線と変わらない。(マイナーな名前でゴメン) 怪しい人を発見しても、にらみをきかしてジッと見たらむこうが目をそらす。 それとも私の方が怪しいのだろうか。 メトロは平気なんだから、そんな事もうどうでもいいや。 昨日来たはずなのに、また道に迷う。 信号待ちをしていたお兄ちゃんに道を尋ねる。 お兄ちゃんは「真っ直ぐだよ」って教えてくれた。 真っ直ぐ、真っ直ぐ。 前進してくる人を押しのけ真っ直ぐ進んでいく。 あっそうだ。 空港までの送迎バスのリコンファームしなきゃならないんだ。 私の持って来たカードはKDDIのスーパーワールドカード。 3000円で3200円分まで掛けられるんだ。 フランスから日本までの電話の掛け方は調べてあったので掛ける事はできたけど、フランス国内への電話の掛け方がわからない。 フランスにいるのに日本のオペレーターを通してフランスに掛けたらバカ高いよな。 でもフランス国内のアクセス番号がわからないんだ。 そのアクセス番号がわからなければ、私の持って来たスーパーワールドカードはただの紙切れになる。 どうしよう。 日本のオペレーター通してフランスに掛けてみるか。 「お客様がお掛けになった電話番号は現在使われておりません」 マジかよ。 送迎代はもう支払済みなんだよ。 トンズラされちまったのか。 仕方ない、タバコ屋でテレホンカードを買って、それでもう一回掛けてみよう。 繁華街なのに大通りにはタバコ屋が見当たらない。 新聞屋の売店で「テレホンカードを買いたいんだけど、タバコ屋は知らないか」って聞いてみた。 新聞屋のオヤジは「あっち」って教えてくれた。 「あっち」ってどっちなんだよ。 ガードマンに聞いてみた。 ガードマンも「あっち」って教えてくれた。 だからどっちなんだってば。 プランタンのガードマンに聞いてみた。 「うーん、タバコ屋タバコ屋、あー、あっちにあったよ。 この道を真っ直ぐ行けばあるよ」 「ありがとう」 やっと見つかりそうだ。 いつものように真っ直ぐに突き進んでいく。 赤いネオンサインのタバコ屋の看板発見。 「おばちゃん、50度数のテレホンカード頂だい」 やった、テレホンカードをゲット。 公衆電話から早速掛けてみることにした。 カードを入れても何の反応もない。 受話器からプゥープゥーとさえも言わない。 どうなってんだ、この公衆電話壊れてるのか。 12時までに掛けないといけないのに、あせってきた。 そうだ、親切に教えてもらったプランタンのガードマンに電話の掛け方を教えてもらおう。 プランタンまで戻りガードマンの腕を捕まえる。 「テレホンカードはゲットしてきたよ。ここに電話したいんだけど、電話の掛け方がわからないんだ」 正真正銘の泣きそうな顔で訴える。 ガードマンは受話器をとり、親切に私に電話の掛け方を教えてくれた。 「もしもし」 うぉー、掛かったよ。 ガードマンありがとう。 あまりの興奮で、リコンファームの担当のお姉ちゃんに事の一部始終を説明する。 あーこれで明日は無事に空港までいけるんだ。 電話を切ってから、深々と頭を下げ、ガードマンにお礼を言った。 昨日行ったお店をもう一度チェックしたら、新しい商品が入っていた。 迷わずそれも買う。 ガードマンの横で荷物をリュックに入れ、ハーフのきれいなお姉ちゃんがいたお店にもう一度行く事にした。 そこの帽子がよかったので、もう少し買う事にした。 ここであのあゆを発見。 絶対あのあゆだ、間違いない。 顔もそっくりだ。 マジマジと見ていたら、嫌な顔された。 違うのかな、違うかも、でもよく似てるよ、ソックリさんかな。 まっ、いいか。 今日はハーフのお姉ちゃんは休みのようだ。 リュックもいっぱいで、両手も大荷物になってきたので、タクシーでホテルまで一旦帰る事にした。 レジのお姉ちゃんにタクシー乗り場はどこか聞いてみた。 お姉ちゃんは「私はいつも前の通りで乗るよ」 前の通りにタクシー乗り場なんかあったっけ。 流しのタクシーはつかまるの? 不安な顔をしていたら、「よっし、わかった。私がタクシーをつかまえてあげるよ」ってお姉ちゃんは言ってくれた。 私の顔はフランスでは得する顔なんだ。 普通にしていても、かなり困っているような顔に見えるんだね。 自信を持ったよ、薄い顔は得だ。 お姉ちゃんとふたりで通りに出て、流しのタクシーをつかまえる。 一台目、誰か乗っている。 二台目、乗車拒否。 三台目、誰か乗っている。 5分たったが、タクシーは来ない。 お姉ちゃん、お店は大丈夫なのか。 反対方向を走っているタクシーをやっとつかまえる。 お姉ちゃん、本当にありがとう。 このご恩は一生忘れないよ。 停まってくれたけど、この運ちゃん大丈夫なんだろうか。 運ちゃんは6ユーロぐらいでホテルまで行けるからって言った。 何回か乗っているので、まぁ、そんなもんだろう。 運ちゃんが財布を見せて、細かいお金がないんだ、だからつり銭はあげられないっていうような事を言った。 バカか、お前は。 客商売だろ、つり銭ぐらい用意しとけよ。 ほんとはつり銭たんまり持ってるけど、ボッタクっちゃえって思ってんじゃないだろうね。 ホテルに到着する。 へぇへぇへぇへぇ、運ちゃん運が悪かったね、私細かいお金たんまり持ってたんだよ。 チップをほんの少し渡した。 運ちゃん、急に機嫌が悪くなり、チェッって舌打ちしやがった。 ここで切れた。 「ありがとう」の変わりに「チップ貰っといて、舌打ちするな」 と捨て台詞をはいてタクシーを降りた。 せっかく、お姉ちゃんが拾ってくれたタクシーなのに。 気分悪いったらありゃしない。 荷物がスーツケースに入りきらないので、運送会社から送ることにした。 事前にパリ支店の人と連絡を取っていた為、送れる重量や箱の大きさはわかっていた。 入りそうな分量だけ選び、ホテルからまたタクシーを使う事にした。 運送会社の住所を運ちゃんに見せる。 運ちゃんは私の大荷物を見ててっきり空港に行くもんだと思っていたようで、運送会社の住所を見て、「なんだよ、空港に行くんじゃないのか」ってがっかりしていた。 運ちゃん、このメーターおかしくないか。 一メートル走ってメーターが上がるのはどう考えてもおかしいだろ。 ほら、また上がった。 信号待ちしてる間にどんどん上がっていく。 でも動き出すと止まるんだ。 変なメーターだね。 運ちゃん、何メーター触ってんだよ。 早くメーター上がるように調節してんじゃないだろうね。 独りブツブツ文句言ってたら、運ちゃん、バッグミラーで私を意識しだした。 何度も何度も、バッグミラーで私を見る。 私はメーターが上がるたびに、「ほら上がった、また上がった」って呪文のように唱える。 運ちゃん、嫌な顔に変わってきた。 変な客乗せちまったよ、あんまり相手にしない方がいいなとでも思ったのか、メーターの上がり方が普通になった。 運送会社に無事到着。 あーよかった。 手がちぎれそうなぐらいの大荷物で、運送会社見つからなかったらどうしようかと思っていたんだ。 荷物を引きずりながら運送会社の玄関に行く。 ゲッ、もぬけの殻じゃないか。 ドアに移転しましたって張り紙がしてある。 どうするんだよ、この大荷物。 タクシーの運ちゃんはもう行ってしまったし。 こんな大荷物抱えて移転先なんか探せないよ。 流しのタクシーはダメだしさぁ。 移転するなら移転するって事前に教えてくれよ。 人通りは少ないし、雨も降ってきたし、もう泣きたいよ。 スーパーの袋を持ったおばあちゃんが来たので聞いてみた。 地図を指差し、「私はここに行きたいんだけど、ここから近いの?」って聞いてみた。 おばあちゃんは「あー近いよ。真っ直ぐ行って右だよ」って教えてくれた。 近くてよかったよ、一メートルも歩けないほど大荷物なんだから。 大荷物引きずりながら真っ直ぐ行くと、日本人のサラリーマンを発見。 うぉー、天の助けだ。 「すみません、日本の方ですか?」 「そうです」 「運送会社に行ったら移転しましたっていう張り紙が貼ってあったんですけど、移転先ご存知ですか?」 「あー、あれはね、ここを真っ直ぐに行けばあるよ」 「ありがとうございます」 よかったよ、もう泣きそうだったんだから。 おばあちゃん、やっぱり嘘ついたね、左じゃないか。 おばあちゃんのいう通りに右に行ってたら、いつまでたってもたどり着かないよ。 運送会社でまた一部始終を話す。 梱包のガムテープ、エアーパッキン、新聞紙は日本から持ってきたので、段ボールだけ用意してもらう。 梱包してもらうと、別料金取られるので、自分で丁寧に梱包をする。 梱包無事終了。 日本には1週間程で到着するらしい。 メトロの場所を聞くと、目の前にあるよって教えてくれた。 目の前にあるはずなのに、また道に迷ってしまい、どこにあるかわからなくなった。 随分歩いてやっとメトロを探し当てる。 聞いたメトロよりも二駅も向うのメトロだった。 どこまで歩けば気がすむんだ。 これから郵便博物館に行こう。 そこでミュージアムグッズを買うんだ。 6時の閉館までまだ3時間もある。 メトロに乗っていたら、途中から赤い帽子をかぶり、赤いジャンパーを来た団体に遭遇した。 赤い旗まで持っている。 何の集団だろう。 山登りか、何かのサークルなんだろうか。 大声で掛け声かけてる、威勢がいいね。 メトロでデモ隊に遭遇する。 あーさっきの赤の集団はデモ隊の一員だ。 地上に出る出口がわからなかったので、デモ隊の警ら中の警察官に尋ねる。 警察官は「今、デモ隊を見張ってんだよ。邪魔するな」とも言わずに、親切に地図のある所まで連れて行ってくれて説明してくれた。 あー真っ直ぐに行けばいいんだね。 真っ直ぐに突き進んでいくと、デモの行進中の一団と遭遇する。 真っ直ぐに行かないと私は道に迷ってしまうんだ。 行進中のデモ隊をかき分け真っ直ぐに進む。 あったよ、郵便博物館。 ここでミュージアムグッズを購入し、まだ時間があったので、かの有名なコンランショップに行こうと思いたった。 コンランショップに行くにはまたメトロを乗り継がないといけない。 今来た道を戻る。 笛を吹いたり、奇声を上げたり、メトロはデモ隊で占領されている。 でも私はコンランショップに行きたい為、お構いなしで突き進んでいく。 途中で超特急の歩く歩道を発見。 超特急っていうのは、歩く歩道に乗るまでわからなかった。 アナウンスはフランス語だし、案内板は絵で書いてくれてあるけど、どういう意味かわからなかった。 乗って、超たまげた。 床には滑りやすいようにパチンコの玉が敷き詰められているんだ。 それが、急回転して、猛スピードで進んでいく。 手すりをしっかり持っていても、足だけ猛スピードで進んでいく。 大荷物の私は振り落とされそうになりながら、手すりを握り締めた。 なんちゅうもん作るねん。 超特急の歩く歩道作っても仕方ないだろう。 こんな所でジェットコースター気分が味わえるとは思ってなかった。 コンランショップの最寄の駅に到着。 ありゃまぁ、ここはすごい事になってるね。 発煙筒は投げ放題だし、機動隊は出動している。 ![]() ![]() お祭りだ、お祭りだ、ワクワクしてきた。 また道に迷うと行けないので、発煙筒投げているデモ隊の一員にコンランショップの場所を聞く。 デモ隊の一員は「あっちの方向に行くとあるよ」って教えてくれた。 何だ、あっちの方角だと、デモ隊から外れるじゃないか。 発煙筒の煙で辺りは真っ白、その中で発煙筒の炎が真赤で花火のようにきれい。 それを見ていたいのに。 近くで写真を撮りたかったが、皆興奮状態なので何されるかわからない。 だから、遠くから堂々と発煙筒が燃えている瞬間を撮った。 あっちの方向に歩いて行ってもコンランショップにたどり着かない。 近くにいた機動隊にまた道を尋ねる。 三人の機動隊は私の地図を取り上げ、あっちじゃないかこっちじゃないかと討論を始めた。 デモ隊を見ていなくていいのか。 機動隊三人組みは「君は今ここにいるんだよ。だからコンランショップはこっちの方角だよ」って教えてくれた。 えー、その方角って私が今来た道だよ。 デモ隊の一員に聞いたらこっちって教えてくれたのに、本当にあっちでいいのか?って何度も念を押した。 デモ隊が嘘を言ったのか、機動隊が嘘を言ってるのか、私はどっちを信用したらいいんだろう。 本当か?嘘ついてんじゃないだろうね。 機動隊のいうように来た道を引き返す。 発煙筒が飛んでいる真中を突き進んでいく。 デモ隊のおかげ?で道路は歩行者天国になっている。 いろんな屋台も出て、お祭り、お祭り。 上機嫌で、装甲車の間をすり抜け、突撃間際の機動隊の前を横切りコンランショップにたどり着いた。 コンランショップの前は装甲車の貯まり場になっている。 こんな状態で商売上がったりだね。 コンランショップを見たが、ふーんという感じで、あまり感動しなかった。 外が暗くなってきたので、そろそろ帰る事にしよう。 メトロに行くと警察官が、この入り口は閉鎖したので他の入り口に行くようにって言ってきた。 他の入り口ってどこだよ。 メトロに乗れなかったら帰れないじゃないか。 グルグル周ってやっとメトロの入り口を探す。 入り口で警察官が持ち物のセキュリティチェックをしているので長蛇の列だ。 メトロの出口は普段は進入不可なのだが、誰かが出て来たと同時に入れ違いで入る事が出来る事を発見。 長蛇の列に並ぶのがバカらしいので、出口から入ることにした。 次ぎから次ぎへと出口から入る。 警察官は二人しかいないので、出口から入る人のセキュリティチェックまでできない。 私も出口から入る事に成功。 メトロに乗ってもデモ隊の一員が騒いでいる。 ひょっとしてデモ隊って危ないのか? 今日の晩ご飯はマクドナルドのハンバーガーのみ。 床に投げつけたようにグニャッて曲がってペンペンになったハンバーガー。 あー早く日本に帰ってカレーが食べたい。 テレビを見ていたら、今日のデモ隊の事がニュースで流れていた。 バスのストライキだったようだ。 ニュースを見ていてやっとわかった。 デモって怖いんだね。 私は日本のメーデーを想像していた。 近所の人が帽子をかぶり「今日はメーデーやねん」って気軽に言ってたもんだから、いつもの行進か、としか思っていなかった。 日本のメーデーと一緒だと思っていたけど、外国のは違うんだ。 発煙筒が飛び交って、機動隊も出動して、装甲車も出ているんだから普通じゃなかったんだ。 デモ隊に道を尋ねたのも、整列した機動隊を横切ったのも、危険な行為だったんだね。 知らなかったよ。 私はてっきりお祭りだと思ってた。 本日の買い付け歩数:19435歩 |