11月27日
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6時起床。 今日はフランス最終日。 泣きながら家族に電話したけど、次ぎの日にはケロッとしていた私にとってはもうここで住んでもいい気分だ。 めちゃくちゃ面白い。 日本に帰りたくないよ。 買い付けも全然終わってないのに。 あー帰るの嫌だな。 バタバタと帰る準備をしていたら、食堂に行く時間がなくなった。 仕方ない、部屋でワッフルでも食べるとするか。 帰りの飛行機は夕方なので、先にチェックアウトをして、送迎バスが来る2時まで、遊に掲載する写真を撮りに行く事にした。 今日のフロントはお姉ちゃんなので、お姉ちゃんに2時まで荷物を預かってくれないかって相談してみた。 お姉ちゃんはフロントでは預かれないから、食堂に置いとけばいいよって教えてくれた。 さすがにそのテーブルと椅子だけのフロントには置いておけないだろう。 でもさぁ、食堂っていっても誰でも出入り自由じゃないか。 そこにポンと置いとくのか。 安全か?って尋ねたら、お姉ちゃんは問題ないよって言う。 嘘だろ、安全なわけないじゃないか。 スーツケースゴロゴロ持って歩くわけにもいかないので、仕方なしに食堂に置きに行った。 食堂の少しテカテカオヤジにスーツケースはどこに置いとけばいいって尋ねたら、部屋の片隅を指差し、ここに置いとけばって教えてくれた。 エレベーターの真ん前だよ。 誰かがエレベーターでやってきて、そのまま持っていったりしないのか。 少しテカテカオヤジは問題ないって言う。 問題は大有りだよ。 諦めるか。 スーツケースと買い付け商品満載のボストンバッグの無事を祈りつつホテルを後にした。 買い付けも全然終わっていないのに、遊に掲載する写真を撮りにセーヌ川に行く。 ![]() この撮影はほんとに恥ずかしかったよ。 大人は勿論の事、子供にまで笑われた。 いい大人が何やってんのっていう目で見るんだ。 鞄にブタのブーを入れている為、満員電車のメトロで押されてブーがピューピュー鳴くんだ。 あんた、何鞄に入れてるのっていうみんなの目。 あー恥ずかしい。 撮影の為、凱旋門に移動する。 ![]() 凱旋門を見て、パリに来ているんだという事を少し実感する。 凱旋門に登ればエッフェル塔も見れるので、凱旋門に登ることにした。 ![]() 下から凱旋門を覗いてみる。 意外と小さい事に気づく。 この階段きつすぎるよ。 人一人通ればいいような真っ暗ならせん階段をはぁはぁ言いながら登っていく。 途中で女の人と仲良くなり、励ましあいながらやっと頂上まで登る。 あーやっと着いた。 ![]() ![]() 今日に限って霧がひどい。 エッフェル塔も霞んで足元しか見えない。 そのかわり、凱旋門の外壁で作業をしている人を発見する。 兄ちゃん命綱はつけてるのか。 そんな所で何の作業しているんだ。 風で飛ばされるんじゃないのか。 気をつけて作業するんだよ。 時間があまりないので、ゆっくり見る暇もなく、また階段を降りていく。 遠くから凱旋門を撮っていたら、東洋人に「Can you speak English?」って聞かれた。 「No」って言うと、すごすごと退散した。 凱旋門の近くで「ヴィトン買って来てくれない?」っていう東洋人が出没しているらしい。 どんな詐欺まがいの事をするのかはっきり知らないのだが、声を掛けられたら無視をする事ってガイドブックに書いてあった。 きっとその東洋人だ。 よかった、まんまと騙されるとこだった。 ホテルまでメトロで帰る事にする。 これがフランスでの最後のメトロだ。 切符売場で切符を買う。 前で並んでいたオヤジに声を掛けられた。 多分、「大きいお札しか持ってないんだ。両替してくれないか」っと言ったと思う。 私は無視した。 だって変なオヤジだったんだもん。 オヤジは「お前は喋れないのか?」って言ってきた。 英語もフランス語も喋れないよ、日本語が少し喋れるぐらいだ、悪かったね。 オヤジ諦めたのか、切符売場の窓口で事情を話す。 窓口でも断られたのか、近くの売店に行った。 さあ、私の番だ。 切符一枚欲しいから1だけ言えば通じるだろう。 数字の1は「アン」 だ。 「アン、アン、アン…」と何度も復唱する。 「ウノ」 「ウノ」って何だよ。 「アン」だろうが。 いつから私はイタリア人になったんだ。 どう見たってイタリア人には見えないだろう。 こんな顔の薄いイタリア人はいないよ。 窓口のお兄ちゃんに大笑いされた。 もう頭の中がフランス語、英語、日本語がぐるぐるまわってんだ。 自分が何語で話してるのかもわからなくなってきた。 英語とフランス語と日本語のちゃんぽんでよく今まで通じてきたなって改めて思う。 お兄ちゃんに笑われながらも切符は買えた。 買える事に意義があるんだから、買えれば何でもいいんだよ。 無事、最寄のメトロに到着。 送迎の時間にはまだ1時間もあるので、近所の4つ星ホテルでカフェを飲むことにした。 この4つ星ホテルの前を何度往復した事だろう。 ロビーがあるよ、ベルボーイもいるよ。 やっぱり2つ星とは全然違うよね。 だって倍の星の数だよ。 あーやっとゆっくりお茶ができる。 ここでは立派にフランス語でお茶を頼む事が出来た。 何度も何度も復唱した甲斐があった。 また間違って「ウノ」なんて言ったら、他のお客さんにも大笑いされるよ。 いい匂いがしてきた。 そっか、もうお昼過ぎてるんだ。 私は何にも食べてなかった。 でも今からフルコース食べる時間もないし、美味しそうな匂いを嗅ぎながら、カフェを頂だいする。 ![]() カフェにチョコレートがついていた。 ラッキー。 フランスに来てチョコレートも食べてなかったんだ。 サービスの板チョコを思う存分味わう事にした。 まだ送迎の時間まで30分もあるけど、ホテルに戻って待つ事にしよう。 私のスーツケースは無事だろうか。 ホテルに戻り、エレベーターで食堂に行こうとした。 あれ、おかしいぞ、エレベーターが来ない。 フロントに誰か人がきたみたい。 片言日本語で「イモト」って聞こえた。 「あーそれ私、私」 えー30分も早いやん。 時間に遅れる事はあっても、早く来る事はないと思っていた。 フロントには送迎のバスが来る事を言っていなかったので、もし私がいなかったら、「イモトなんて知らないよ」って追いかえされてたかも。 そんな事になったら、追いかえされている事も知らず、ずーっと待ちぼうけをしていたかもわかんない。 それで、飛行機に乗り遅れ、正規のチケット代53万円を払う羽目になってたんだ。 エレベーターに乗ってなくてよかった。 送迎のオヤジに「スーツケース取りに行くから、ちょっと待っててくれ」ってお願いした。 待てど暮らせぞエレベーターはやってこない。 フロントのお姉ちゃんが、「エレベーターは定期点検してるから、動かないんだよ」って言った。 なんだもっと早く言え。 そうとも知らず、ずっと待ってたじゃないか。 まあ、そのおかげで、送迎バスに乗れるんだけどさ。 お姉ちゃんが階段で地下2階まで降りてくれって言ったけど、一人通れば精一杯の階段だよ、それも真っ暗じゃないか。 ボーイはいないから自分でスーツケース運ばないといけないんだろ、それも真っ暗の階段で。 地下2階からあの重いスーツケースとボストンバッグは持って上げれないよ。 バスも待ってもらってるのに、あーどうするんだよ。 滑り落ちそうになりながら、階段を降りていく。 あーよかった、私のスーツケースもボストンバッグも無事だ。 でもどうやってスーツケースを持って上がるんだよ。 ボストンバッグを右手にリュックを背負い、小さいバッグを斜め掛けにし、左手にスーツケース。 重い。 バカか私は、持って上がれるはずないじゃないか。 お姉ちゃんが助けに来てくれた。 お姉ちゃんに半分スーツケースを持ってもらい、スーツケースを引きずりながら少しづつ階段を上がった。 エレベーターの兄ちゃん、見てないで手伝えよ。 もとはといえば、兄ちゃんがエレベーターの点検なんかするからこんな事になったんだろう。 ヘラヘラ笑うな。 送迎のオヤジが待ちくたびれたのか、様子を見に来た。 オヤジごめんよ、遅くなって。 ひぃひぃ、はぁはぁ、言いながらお姉ちゃんと二人でなんとか運び上げた。 送迎バスに行くと、先客発見。 遅くなって失礼申した。 あー、どっと疲れた。 送迎バスは渋滞もなく無事空港へと着いた。 遅れる心配なんかしなくてよかったよ。 3時間半前に着いちゃった。 帰りはJALなので、JALのカウンターを探す。 どこまで行ってもエールフランスのカウンターしかない。 いちばん端まで来たけど、どこにもない、あれ、おかしいぞ。 ガードマンに聞いてみた。 「ねぇねぇ、JALのカウンターはどこ?」 「あっちだよ」 あっちって、今来たとこだよ。 ほんとにあっちか。 戻って探すことにした。 カウンターの矢印が1階になっているので、エレベーターで1階に降りてみる。 端まで来たが、まだわからない。 早い時間に空港に着いてよかったよ、こんなのギリギリだったら、乗り遅れて、絶対53万円だ。 清掃員に「JALのカウンターはどこ?」って聞いてみた。 「えーっと、JALはどこだったかな。あー2階のいちばん端だよ」 えーまたか。 さっき乗ったエレベーターで2階まで戻る。 あったよ、エールフランスの看板の下に、小さくJAPAN AIR LINEの文字が。 まだチェックインが始まっていないので、椅子に掛けて待っていた。 ホッとして、お腹が空いていたのを思い出した。 残りのワッフルを食べる。 今日は一段と寒い。 足元から風がピューピュー吹いてくる中を2時間も待った。 やっとチェックイン時間になった。 スーツケースを恐る恐る乗せてみた。 25,5キロ。 お姉ちゃんと一生懸命持って運んだのに、25,5キロしかなかったんだ。 やっぱり箸しか持ったことないから重く感じたのかな。 出国も簡単。 出国審査は一切なし。 セキュリティーチェックのゲートをくぐるだけ。 そんなのでいいのか。 本日の買い付け歩数:11738歩 |